永遠の初心者ダイバー

ボートダイブエントリー 「流刑地送りの呪い」が解けた時。

photo by KENJI instagram

私はボートダイブエントリーが大嫌いだった。

好きでダイビングに来ているはずなのに、
やっと潜れる!って心待ちにして来たはずなのに、

ボートに乗り込んだ瞬間から、まるで流刑地に送られる罪人のような心境になるからだ。

→ ボートダイブエントリー それは、自分の好奇心を後悔する瞬間。


私は出産の際、あまりの激痛に「もうやめます!」と連呼して看護師を困らせた事がある。

それは「母親になるのやめます」とか「人間やめます」とか、「今出かかっているもの、やっぱり引っ込めてください」等いろんな意味が含まれていたのだが、その時とよく似ていた。

やっと潜れる今日この日を待ちわびていたのに、いざそういう状況になると目先の恐怖に気を取られ「やっぱやめます」と思ってしまうのは、私の弱さなのだろう。

割とそれはつい最近まで続いていたのだが、セブ島でエントリーするポイントまでボートに乗っていた時のこと。
ついに流刑地送りの呪いから解き放された事に気がついた。

両腕を広げて背もたれをつかみ、爽やかな南国の風を全身で受け止めている笑顔の私がいたからだ。
もはや今までと別人だ。

「あれ!私、今ボートの上なのに後悔していない!」

その言葉に相方ケンジも驚き、二人で船上で小さく喜んでいた。

ただそれは、南国の海の気持ちよさに浮かれていただけなのかと若干不安だったが、先日の逗子ボートでも、脳内でサザンの歌をBGMにしながら、目を細め江ノ島を眺める私がそこにいた。
よし、もう完璧クリアだ。

今までは、船上で楽しげに話している人たちが恨めしくて仕方なかったのだが、今や勝手に仲間の気分だ。
私にあれこれ指示してくる人も疎ましくて仕方なかったが、もう全然ウエルカム。

今まではボートから海に飛び込む瞬間が、死刑執行みたいなものだった。
実際全く勢いもつけず、ボートからずり落ちるように海の藻屑となって消えていく、といった表現が合っていた。

が、今や「いってきまーす!」と心で呟きながら、バックロールで軽快に海へ飛び込む。

 

暴走する私の好奇心に、ようやく私自身が追いついて来たらしい。

 

ああ、なんてボートの上から見る海は気持ちがいいのだろう・・・♫

思えば一番最初のボートダイビングの時、すごく可愛いのにとっても無表情な女の子と一緒になったことがある。

年代も違いそうだし、会話をする余裕なんてこちらもにも全くなくて、何も話さなかったのを覚えている。
けれど、その子もその時がボートダイビングが初めてだったというのは知っていた。

二人とも初めて水深30m近くまで潜ったあと、エグジットの時、手違いで違うボートに誘導されてしまい、乗りかかってから慌てて移動し、ヨレヨレになって自分たちのボートに乗り込んだことがあった。

ようやくボートに戻った私たちは、倒れこむように腰を下ろした瞬間、緊張から解き放たれた安堵感からか急に可笑しくなってきた。
その女の子も同じだったようで、二人で顔を合わすなり、大声でアハハハハハハハハハハハハ!!!!!とひたすら笑いあった。

本当になんの意味もなく、ただただずっと笑ってた。

 

あんなに大声で笑い続けたのは、いつ以来だったのだろう。
少なくとも「大人」になってからは、なかったような気がした。

 

帰りには、さっきの無表情が嘘のようにニコニコしたその子と笑顔でバイバイ!!ってして、別れた。

ログブックには「またいつかご一緒しましょう!!ぜひ!!」と書かれていて、もちろん連絡先も何も知らないけど、ああまたいつかどこかで会えたらいいな、と思う。

ボートダイビングを克服した今、その時のことがようやく「ほんのり温かい思い出」となってきた。

今思えばこの「流刑地送りの呪い」はなんだったのだろうか。

もしその時の私と同じ思いをしている初心者ダイバーの方がいたら、きっとその呪いは解けるよ大丈夫だよ、と励ましてあげたい。

というか、他にいるのかそんな人・・・(笑)

 

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