ある時、ネットの質問サイトでおおよそこんな内容を見つけた。
同じ職場にいる年上の独身女性の話らしい。
独身女って、趣味にスキューバダイビングって人多くないですか?
スキューバダイビングは、高い趣味ですし現実離れしてますよね。
それをステータスって顔されても周りはドン引きだってことを気がついてないみたい。スキューバダイビングをやっている女って、どうしてあんなに高飛車なんでしょうかね?
他人事のように「あらー大変ねぇー」とこの記事を読んでいたが、自分も「スキューバダイビングが趣味の独身女」であることに今さら気が付いた。
個人的感情で話が支離滅裂な風だが、自称「日本天邪鬼協会会長」だった私は、この質問者の気持ちがわからなくもない。
金のかかる趣味が自分のステータス、なんて顔をしている女は、世の中の大半の女を敵にまわしているといえる。
この質問者もスキューバ独身女を毛嫌いしているだけで実は、スキューバダイビングは話の切り札でしかないことは承知だが、ここは敢えて切り込んでみよう。
◇
例えば職場で、
「あ~た~し~、スキューバやってんだよね!この間はパラオ行ってきたの~!
パラオって~、ダイバーなら皆憧れるでしょ?
だから私行ってみたかったの!超ーーーー、海キレイだった!!」
なんて騒いでいる女がいたら、同じ趣味を持つ私だって心底ウザい。
が、全ての独身女ダイバーがそうではないということを、この質問者はわかっていないようだ。
こんなに下手なのに、スキューバやらせてもらってます。
すんません。
海の中で失敗した時、器材の扱いを間違えた時。そんな場面が突如、脳内フラッシュバックする。
そんな時、私は誰かに懺悔したい衝動に駆られる。
そうすれば次に潜る時、海は「待ってたよ」って、優しく私を受け入れてくれる気がするのだ。
◇
そしてこの質問の文章の後には、そうやってダイビングをきっかけに男を見つけようとしている、なんとあさましい女なのだろうという感じの流れで話は続いていく。
が、スキューバダイビングで異性を探すというのは、恋愛対象になるかもしれない男性にスッピン+鼻水やヨダレなど粘着系まで見られる可能性もあるということだ。
恋人同士に発展したい男女が一緒にダイビングをすることがどれだけリスキーか、ということをこの質問者は全然わかっていない。
◇
以前とあるポイントで潜った時、そこにまさかのマンボウが出没した。
それを運よくみることができた若い男性は、ボートに上がるなり、熱っぽくその時の状況を語りだした。
周りの仲間たちは、当然その話に夢中だ。
ああ!自分はニアミスだった!もう少しそこにいたら見れたかもしれないのに!!
それはそれは船の上は皆、盛り上がっていた。
だが私には、そのマンボウ出現を語る男性の口元しか目に入らなかった。
何故なら、ヨダレがとんでもなく長く垂れていたからだ。
大物出現の前では、自分がヨダレを垂らしていることも気が付かない。
ダイバーとは、そんなものなのだ。
◇
ダイビングを始める前から、高尚な趣味であるはずのダイビング仲間は潜水しか頭になくて、町内会のゴミ拾いをするような格好でしかなかったりする。
いくらすぐ水着になると言っても、そりゃないだろう、みたいな格好で来たりする。
それなら昼下りのカフェでお洒落して美味しい紅茶を飲みながら微笑んでいる方が、よっぽど大人の尊厳が守られていて高尚な趣味だろうと思う。
◇
少なくとも私の周りにスキューバダイビングが趣味だと鼻にかけている女はいないし、聞かれない限り興味のない人にスキューバダイビングの話はしない。
ダイビングは現実離れしているようで、しっかりと「現実」だ。だから面白い。
そんな世界を垣間見れる楽しさは、共有出来る人だけで秘密にしていたい。
スキューバダイビングが素晴らしいからって騒ぎたてないで欲しい。
知りたくない人には知ってもらわなくて結構。
ある意味、前出の女よりもタチが悪い(笑)
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