北海道出身の私は、日本の最南端の県である沖縄に、人よりも相当強い憧れを抱いていたのだと思う。
ライセンスを取得してから、機会があれば沖縄の海にすぐにでも潜りたいと思っていた。
そしてアドバンス(AOW)取得したのをきっかけに、相方ケンジと沖縄の海を潜ってみよう!と盛り上がり、予約した。
やったーー!! ついに沖縄!
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ところが。
沖縄旅行が数週間後にせまったある日、相方ケンジが、なんと仕事中足の指を骨折するという事態がおきた。
が、二人とも軽く考えていた。だって足の指なわけだし…
その沖縄旅行と誕生日が重なる相方ケンジのために、私はある段取りをしていた。
海の底でよくみる「アレ」を、サプライズでやってみたかっのだ。
そう。HAPPY BIRTHDAYのダイビングフラッグ!
可愛いデザインで作ってくれる人を見つけてウキウキ注文した。
よし!
問題は、私がこれを海の底でひろげる余裕があるかどうかだけだ(笑)。
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が、その直後まさかのまさかで、「海に潜るのは厳禁」と、医者から言われてしまったとの連絡が入った。
医者には、海に潜るのは厳禁だが、旅行そのものを止められてる訳ではない。
ただ運が悪いことに、足の怪我が治ってからの日程調整をしようにも格安航空券で予約していたために、それが難しい。
だから今回は、海に潜らず、ゆったりした沖縄旅行を楽しむ、という設定になってしまった。
う、嘘でしょ??
そんなぁぁぁぁぁ…
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いや、その程度の怪我で終わったのだから、良かったといえるのかもしれない。
ましてや相方ケンジも、仕事中の怪我で好きでやったわけではないし、誰を責めることもできないのは理解している。
ただ沖縄の海に対する期待がMAXだっただけに、落胆が相方を気遣う気持ちを越えてしまった。
まじか…。
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100歩譲ってダイビングができなくても、足の指を海につけられないから、海でちゃぷちゃぷ、なんてのも出来ないのだ。
沖縄に行っておきながら海に近寄れないなんて、なんの比喩だかわからない。
「ダイビング」という文字を見るだけで、胸くそ悪い。
用意してた水着も軽器材も、目に付くのが嫌で押し入れにぶち込んだ。
潜らないなら、沖縄行っても仕方ないじゃん!
完全に私は、やさぐれていた。
どんだけ腐食したダイビング脳なのだろうか。
つづく
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