いろいろ

コロナ禍。海へ帰るその時まで。


 
2020年3月末。
私たちは浮きたつ気持ちを抑えて、いそいそと週末のダイビングの用意をしていた。

そして、まるでそのタイミングを狙ったかのように、小池都知事の【 外出自粛要請 】がブチかまされたのである。


え。嘘でしょーーーー
私は、会見の中継を見てただ呆然としてしまった。

その時横にいた15歳の息子(一応OW)が呟いたのが、このセリフである。

 
「僕たちは、海に帰ろうとしていただけなのに。
こんな時だからこそ。」

そうだ。
僕たちは、海に帰ろうとしている。

欅坂の歌詞のフレーズかよ。

 
生命の起源だかわからんけど、息子のくせに随分センスのいいこと言うじゃん、と最初は笑っていた。

 
けれど、ますますコロナウイルス感染は拡大の一途で、当たり前の日常すら送れなくなってきた時に、やたらとこのフレーズが身に染みてきた。

 
  
ああ、私たち、ホントに海に帰りたかったんだな。

さすがにこの未知な状況は、 言い知れぬ不安が襲う時があった。

そんな時、恐怖の渦に飲み込まれないように。
私にとってはメンタルをフラットな状態に戻すためにとても効果的なことがある。

 
 
それは、海に潜ることだ。

 
もちろん本当の海には潜ることはできないけれど、気持ちを外界から遮断するように記憶の中の海へ潜ってみる。

視界がブルーに囲まれ、そして砂紋が見える白い砂地へ着底すると、今まで感じていた日常の恐怖が、自分の感覚の中のほんの薄っぺらい表面上の出来事だったということに気がついてしまう。

おそらく今、海に潜ることができない現役ダイバーは、まるで第二の故郷が喪失してしまったようで、日常にハリがなくなっていることと思う。

しかしこれでめげてしまうほど、私たちダイバーはヤワではないはずだ。


やっぱり、海に帰らなくては。

 

またどこかの海で、どこかのダイバー達と海に潜り、もうずっと前から知っていた仲のように海の話で盛り上がりたいから。

というわけでダイバーの皆さま、また大手を振って海へ行ける時まで。
 

(お預け期間が長すぎて、どうかブランクダイバーになりませんように)


 
そしていつか、こんな弱々しいブログエントリーを書いたことを、まあそんな時もあったなって笑える時が来ることを願いたい。



photo by KENJI instagram

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