あんなに暑かった夏はまるでなかったかのように過ぎ去り、また今年もドライスーツの季節がやってきてしまった。
先シーズンは、救いようのない不器用さがたたって、完全に初めてのドライスーツにもてあそばれていた私。
が、ようやくコツを掴んできたところで、ドライなんか着ていられねーよ!めちゃ暑いし!こんなもんさっさと脱いでやるわ!と、少し暖かくなると同時に脱ぎ捨てていた。
が、やはり秋が深まるにつれ、水中よりも陸の風が、また一つ歳を重ねた身にしみてくる。
→ 初めてのドライスーツ その1【足が上がって逆上がりが止まらないんですけどー】
→ 初めてのドライスーツ その2【ハプニング続きで、残圧0(ゼロ)】
→ 初めてのドライスーツ その3【私のドライスーツライフに、一筋の光が】
◇
場所は、伊豆海洋公園、IOP。
ここで潜るのはまだ二度目だ。
あの洗濯機みたいな波が容赦なく打ち付けているエントリーポイント。
フツーのポイントならさっさとクローズしている状況なのだが、「どーぞ好きに潜りなされ」と堂々とオープンしている。さすがIOPだ。
インストラクターさんが、渋い顔をして腕組みをしている。
「・・・どうします?潜ります??」
いやいや、潜れるなら潜りますでしょう?
わざわざ有休とってきたんだし。
さっさと準備をして果敢に波に立ち向かう。
が、ひざ程度しか浸かっていないのに、あっけなくコロっと波に流されて慌てる。
これはマズイ。
見た目以上に相当ヤバい。
必死にロープを掴み、波のタイミングを見ながら潜る瞬間を見極めるために、既に頭までずぶ濡れになり、息も上がってただただ波に負けずに立っていた。
自分の身長位の高さの波が押し寄せてくる。
怖い! 前に進めない・・・
ちょっと待て。なんなのこの苦行。
私、この日の為にわざわざ有休までとったのに・・・?
最近はダイビングに慣れてきて忘れていたのだが、私にとってダイビングとは「ただ辛いだけの修行」の時期があったが、その時の重く辛い気持ちを思い出した。
私の様子を心配に思ったのか、インストラクターさんが安全に潜れるところまで曳行してくれた。
潜る前から疲労ダイバーか、私。
必死の形相で浮きのロープにしがみつき、息を整えてから潜行・・
沈まねえ。ちっとも全然、沈まないし!!
そうだ。ドライスーツだったんだ!
ちょっとダイビングに慣れてきてたものだから、「えーーと、ウエイトは○キロでいいっす♪」なんてカッコつけてた自分に後悔した。
自力で潜るのを諦め下から引っ張ってもらい、なんとか無事に海底へ。
潜ってしまえばこっちのものよ。
◇
春~夏の時期の伊豆では、視界が味噌汁か?ってな状況によくぶち当たり、正直嫌気がさしていた。
しかし、寒さも増してくるこの時期、透明度もさすがに良くなってきている。
小さい生物に興味はない自分でも、普段見慣れない生物がたくさんいて、なんだか楽しいじゃないですかー♪
と、海中散歩を楽しんでいた。
ところで、エントリーより大変なのがエクジットであるということを忘れていた。
安全停止は水深5m前後の浅瀬だった。
5mの浅瀬なんて、波は強いわドライスーツで浮くわで、もうどうにもならない(笑)
その辺の大きな岩に抱きつくようにしがみついても、浮力と波の強さで負けてしまう。
エクジットは波で揉みくちゃになりながら、インストラクターさんに助けてもらって、命からがらロープにしがみ付いて這うように砂浜へたどり着いた。
「大丈夫ですか?」と聞かれても、「大丈夫です」の声が出せない。
要は、あまり大丈夫じゃない。
返事すらできないほどに疲弊していた。
私の貴重な有休は、そうして終わった。
◇
次の日は、普通に出社だった。
だが、机でPCを打つのも支障がでるほどにしんどい。
かつて経験がない程に、腕に筋肉痛を起こしていた。
岩に、力いっぱいしがみついたから。
シーズン初のドライという場面で、IOPはちょっと私にはハードル高かった・・と思わざるを得ないダイビングログとなってしまった(笑)
★初回のIOPの記録
→ 初めてのスキューバダイビング ー 波の荒いポイントで恐怖のエントリー&エグジット【伊豆海洋公園】
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