いろいろ

痛みに負けるな。ドMダイバー日記。その1

その日の仕事帰り、私はいつもよりも慌てて会員制のヨガスタジオに向かっていた。

 
わーー、スタート時間ギリギリになっちゃった。
 

慌てて着替えて、ヨガマット、タオルを持ち、水の入った水筒を小脇に抱えようとした時。

手が滑ってしまい、重さのある水筒をゴンッと勢いよく自分の足の中指に落としてしまったのだ。
円筒状の水筒のフチ部分が、キチンと裸足の中指を目がけて落ちてきた。


 

ひっ・・・・


 


一瞬、あまりの激痛に時が止まった気がした。

 

「ふっ・・・ハァァーーー!!」

レッスン開始間際の誰もいない更衣室で、足先を抱えて一人のたうち回った。



なんかこれはヤバい気がする。私の中で前例がない痛みだ。

口からは、吐息混じりの「はひふへほ〜」の声にならない声しかでてこない。



レッスンは、もうあと一分で始まってしまう。
 

絶対、この痛みは、ヨガなんかしちゃいけない。
それは、本能的にわかる。


が、ここで、私の負けず嫌いとドM気質、そして無駄な行動力のトリプルコンボが顔を出してきた。


 

痛みに負けルナ・・・・

 

どこかで聞いたフレーズに押されて、片足を引きずりながら、泣く泣くスタジオの扉を開けた。

今日のレッスンは絶対に辞退するべきだと頭ではわかっているのに。


 
そして、ドアの近くの目立たないスペースに、そろそろとヨガマットをひいた。
もう痛くてどうしようもなくなったらこっそり出ればいいよね・・

 
 


で、結局私は、1時間のレッスンを最後まで終えてスタジオを出て来てしまった。


水筒を落とした右足に重心がかかる度に寒気を伴う痛みが走り、ろくにヨガの練習になんかなっていなかった。
薄暗いスタジオの中で苦痛に顔を歪ませ、涙と冷や汗でぐちゃぐちゃになりながらなんとかレッスンを終えた。

正直、「痛みに耐えた達成感」以外の副産物は何もなかった。

 

 
ちなみに理系の長男に、

「約1mの高さから水の入った水筒(重さ約700g)を足の指に落とした時、私の足の指は瞬間的に実際何kgくらいの衝撃を受けたのだろうか」

という計算をしてもらったのがこちら↓

この計算が合っていれば(笑)、約31.6kgだそうだ。



実際は1mよりも高い場所から落としたので、もう少し衝撃はありそうだが。


 




 

で、私の足の指が実際どうだったのかは知らない。
多分、ヒビが入ったとかなのだろうと推測する。

(なぜ推測かといえば、医者に行っていないからなのだが)

結局仕事柄安静にもできないし、1ヶ月近くも私の足の中指はろくに動かせないまま赤黒くファジーに腫れていた。


が、時が経つにつれ医者にはますます行けなくなった。

 

何故なら、そのすぐ後にお楽しみのダイビングツアーが控えていたからだ。


 

 

万が一医者に行って、うっかり「スキューバダイビングに行ってもいいですか?」と聞いてしまって、「いい大人が何を言っているのですか」と呆れられてしまったら、気持ちよくダイビングに行けなくなる。


 

だったら誰にも言わなきゃいい。
痛いの我慢してればいい。


 
正直、ダイビングパートナーの相方ケンジにも言おうかどうしようか悩んだ。


が、彼は私でさえ呆れる程の「ダイビング狂」であり、その数ランク下に「愛妻家」を自負している。2つの要素を組み合わせた方程式から考えると、

 

「怪我をしてダイビングに行けないバディをほって置いて、一人ダイビングに行く」 なんて人でなしなことはしないだろうと思うし、もちろん「じゃあ安静をとって今回は延期しよう」なんて言うはずもない。

 


だったら、多少の痛みくらいいいんじゃない?と言うに違いない。
俺も行きたい、私も行きたい。それでいい。


何にも迷うことなんてなかった。

 

 

結果その推測は的中し、無事相方ケンジとのダイビングツアーがスタートした。
いつまでも治らない、足の指の痛みをこっそり抱えながら。


が、この痛みのせいなのか、このダイビングツアーは見事にダメダイバー復活劇となってしまったのである。

つづく



 
☆写真は、茨城県の酒列磯前神社。海の見える鳥居が素敵。

 
☆この場合、医者に行かないのはNGだと理解していますので、似たような目に合っているダイバーの方は決して真似をされないでください。




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