ダイビングログ

春日に負けた。ドMダイバー日記。その2

前回の続き)


photo by KENJI instagram


さて、お楽しみのダイビング強化週間がスタートした。
私の右足の中指は、時折痛みを伴いながら1カ月以上も腫れたままだった。

 
強化週間初日は、近頃セルフダイビングにハマっている相方ケンジに連れられて、1年ぶりくらいに葉山の海へやってきた。

 
葉山の海は、潜るまでがひたすら長い。とにかく長い。

 
去年、クソ重たい器材に加えてドライスーツ用の8キロ近いウエイトを腰に巻いて、滑る岩場を延々と歩くのに完全に嫌気が差し、

「もーやだ!!リゾートダイバーになってやる!!」と意味不明の言葉を叫びながら、途中腰のウエイトをかなぐり捨てた、葉山の海。


もう絶対行かないし、と思っていた葉山の海だったが、相方ケンジに言いくるめられてセルフダイビングのバディとしてうっかり来てしまった。


けれど実は葉山の海は潜ってしまえば、あまり泳ぎ回らなくてもあれもこれも色々と生物がいて結構楽しいのだ。

これだけ都心に近くて気軽に楽しめる、お手軽ワンダーランド的ポイントはやはり貴重だ。


だがしかし、潜るまでの往復の道のりはもちろん変わるわけでもなく、海水の浅い岩場を注意深く足元を確認しながらよろよろと歩いていたが・・・例の足の指が、おいおいやめろよと自己主張をし始めた。

一歩岩場を歩くごとに、右足先にズキンと不安になる痛みが走る。そしてフィンの脱着、キックの度に掛る水圧、もういちいち痛い(泣)




結局この日のダイビングで、私は足の指を激しく悪化させてしまったのである。

 

 

次の週末。



相方ケンジと一緒に雲見に来た。もう既に何度も潜っているポイントだった。この日一緒に潜るチームに、初対面の若い男性がいた。

オードリーの春日っぽい雰囲気のこの男性は、ダイビングを初めてから日が浅いながらすっかりハマってしまい、自分の給料をダイビングショップに全部スライドさせているのではないかという程に注ぎ込んでいるようだった。

「ボク、ドライは着ない主義なんで!!」と、ガタイの良い初心者・春日は、まだ3月の寒い海辺で買ったばかりのウエットスーツを意気揚々と身にまとっていたが、器材のセッティングもまだままならない様子だった。

 
ほっ。ベテランさんが混じらなくて良かったと、実は私はこっそり胸をなでおろしていた。

なんせ、足の指が不安でたまらない。この足のせいで、誰かの足を引っ張るわけにはいかないのだ。

 



 

いざ、ボートからバックロールでエントリー!
チームでOKと確認し合い、潜行していくと・・・もう水圧だけでズキズキと足の指が負けている。ひぃぃぃ。

キックの度に激痛が走るので、ほぼ片足だけで泳いでいる状態だった。

ふと見上げると、私の目の前を泳ぐ初心者・春日は、自転車に乗っているようなかなり効率の悪い泳ぎ方をしている。

 
よし。これだったらエアの消費も早そうだ(笑)
つまりは私も安心してエアを減らせるってことだ。

 
そして春日は、全く後ろを気にせずにバタバタと砂を巻き上げてくれるので、私は視界が非常に悪い。

 

ううん。いいよ!いいんだよ!!
春日!!頑張れ!!

やんちゃで初々しい春日に対して、まるで母親のようなほのかに温かい気持ちを抱いていた。

 

 

それにしても・・・フィンにかかる水圧で、足の指を強く踏まれているようなこの痛み。
改めて水圧の威力をまざまざと体感していた。


 

ふと、ガイドさんが残圧を聞いてきた。


確認すると、あれ?

もう80しかない?嘘でしょ・・・?



そして次に、春日が手で残圧を表示する。


 

140。

 




まじで?


 
一気に血の気が引いてきた。
初心者の春日が、エアを140も残している。



春日のくせに!!

 
 

もう全身水圧に押しつぶされそうだった。

 
もうそこからは簡単にダメダイバー復活劇となった。

 

何がどうしたかよく覚えていないが、結局私の残圧を考慮してそこからさほど時間もかからずに皆浮上してしまった。

 

 

一言で言うなら、私は「残圧恐怖症」であろう。
ただでさえエアの持ちが良くないという認識に加え、予想以上に悪い残圧の数字を目の当たりにすると、とたんに脳みそが恐怖に支配されるのだ。


今回は足の痛みという不安要素がエアを減らしていたのは理解できるが、加えて安心材料のだったはずの春日の「裏切り」が致命傷となってしまった。

 
◇ 

ボートに上がってから、ガイドさんが、

「いやーすごいですね!!エア持ちめちゃくちゃよくなりましたね!!!」と春日を褒めた。

 
「そりゃあ潜ってますからね!!!ガハハハハ!!!」と高らかに笑う春日を視界の端で見つめながら、私はただぼんやりと牛着岩を眺めていた。

 
つづく

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