ダイビング女子

【あの時、流された水着】ボートダイブエントリーがいつまでたっても、上達しない。

 
先日の極寒熱海ダイビングで、とある一つの衝撃的な気づきがあった。

目もあてられないダメダイバーから卒業して中級ダイバーの仲間入りをした気になっていたが、やはり現実はそう簡単にはいかないようだ。

いや、自分でもうすうす認識はしていた。
それは、いつまで経ってもボートからのエントリーが、全く上達しないことだ。

 
バックロールエントリーの時には、一度海に落ちてから浮上し体勢を整えるまでが、慌てすぎてヒドイらしい。
相方の言葉を借りれば、その様子は「非常にみっともない」。

 
ジャイアントストライドエントリーの時には、まるで誰かに突き落とされたかのように海に転落する人、だという。

 
 
そう。

私のボートダイブエントリーは、いつまでたっても「被害者感」がつきまとう。

ちょっと浮き足立ったボート上の風景から、「1、2、3!」の合図とともに、一瞬空が見えたと思ったら、瞬時に視界が海のブルーと泡に包まれる。
 
視界だけじゃなく、うすら怖い感じや期待感にも加えて、うわ、冷たっ!と感じる皮膚感覚だったりとか、急にゴボゴボゴボとしか聞こえなくなる聴覚とか、カラダの器官が、急にフル稼働される。

 
たったその数秒間の出来事に、脳みその処理能力がついていかない。


なのに次は、そこから体勢を整えて、目的の集合場所まで泳いでいけ、って、こうやって文章で書けば書くほど、まるで人生の縮図か、くらいに濃厚すぎて恐ろしい。

バックロールエントリーの時の、海に背面から落ちて一瞬、海の中で泡だらけでモミクチャになる瞬間についてなのだが。

私は過去に泳いでいて溺れたりしたような、特に水に関して恐怖だったと感じた経験がない。
だがダイビングをはじめてからというもの、あの泡だらけでモミクチャになる、というシーンが、日常の瞬間に突如フラッシュバックのように見える時があり、その理由がわからずに、後ろ髪をひかれる気がしていた。

 
いったい、なぜなんだろう?
しかもそれはけして、私にとって心地の良い感覚ではなかった。

だが、このあいだの極寒の熱海の海に落ちた瞬間、とある記憶にリンクしてしまった。
 
ああ、そうか。この出来事のせいだったのか・・・


 
まだ20代、若いと呼ばれる頃の出来事だった。

 
当時の彼氏との、プールデート。
もちろん、その年のmyテーマのビキニを持参で。

 
そこで当時話題だった、ウォータースライダーに挑んだ。
それはボディボードみたいなものに腹ばいで乗り、スリル満点の激しい激流を下っていく、というものだった。


そこには今思えば、「流れが激しいので、水着の乱れ等にご注意ください」と、順番待ちの列の脇に、わざわざ注意書きが書かれていた。

だが、そんなものは当然流し見して、私は一人でさっさとスタート地点に立ち、ボードに乗り込んだ。

 
お。思ったよりもすごいスピードだ!

流れを下っている途中で、流れに乗れずボードがひっくり返り、水中でモミクチャになってしまった。
スキーの転倒もそうだが、そういう時は流れに争わず、なすがままでいるように体得している。


視界全部が薄くクリアなブルー、そして無数の小さな泡で自分が包まれた瞬間、時の流れがふわっとスローモーションになる。


 
あ、すごいキレイ・・・

私は流れに身を任せたまま、スライダーの終着点についた。


水の流れが穏やかになり、私はすくっと立ち上がった。



周囲の様子が、なんだかおかしい。
彼氏が、遠くから何か大声で叫んでいた。



一瞬の水中の逃避行から戻ってきた現実が、とにかく悲惨すぎた。

「水着の乱れ」どころではない。
  

 紛失していた。

もうそこからのことは、よく覚えていない。

ただ一つ救いだったのは、そのプールの横には温泉が併設されていたことだ。

その衝撃的な出来事のあと、私はその温泉に吸い込まれるように入っていった。

そこで温泉に肩までズッポリ浸かりながら、そこにいる女性たちの裸を目を皿のようにして見入っていた。


この人も、ハダカ。
あの人も、ハダカ。

 
ハダカが1まい、2まい、3まい。

 
なんだなんだ。
みんな、ハダカじゃないか。



そうして自分を慰めて、少し自分を取り戻した。

だが、やはりその傷は完全には癒されることがないままに封印してしまい、今まで至ってしまったのだろう。

真面目な話をすると、人とは、自分の中での痛々しい過去の出来事を、「ああ、あの時辛かったね」と、今の視点からきちんと認識してあげることで、その痛みは少し和らぐと感じている。

加えて、いくらか年齢を重ねればわかると思うが、若い頃の私は、私であって私ではない部分もある。

それはきっと若い頃なりのヤンチャだったのかわからないけれど、でも当時のヤンチャをちゃんと包括できている今があるかどうか、というのは、この40代ならではの「深み」と、大いに関連性があると信じている。


私であって私ではない、あの子がやらかしたあの出来事を、もういい加減、海の泡とともに昇華させたいのだ(笑)


 
次に海に潜る時、フラッシュバックしている自分がいませんように、

そしてもう少しだけエントリーがまともに見えますように、と心から願って。

<あわせて読みたい>

→ ボートダイブエントリー それは、自分の好奇心を後悔する瞬間。

→ ボートダイブエントリー 「流刑地送りの呪い」が解けた時。

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