ダイビングログ

No more ウミウシからの転換。【東京女子ウミウシ図鑑】

photo by KENJI instagram

このコロナ禍で、日常の当たり前のことが当たり前でなくなった瞬間があった。

今まで疑うことすらなかった価値観、というものが大きく揺さぶられるキッカケとなったのは、私だけではないだろう。

道端のコンクリートの隙間に咲いている、小さな花たち。

今まで目に止めることのなかったこの子達に、雑草であるが故の生命力を感じ、そして愛おしくすら感じてしまうようになった。

世の中の全ての生きとし生けるものに対して、尊敬の念を持つようになったのかもしれない。

 
明らかにこのコロナ禍によって、私自身の土台を揺るがす何かが、大きく変化している実感があった。

ところで、この春に引越しをしたばかりなので、何か目新しいものをと、リビングにデジタルフォトフレームを飾ることにした。

そのフォトフレームには、私と相方が海や旅行に出かけたときの風景、海の中や生物まで、自分たちの自慢のショットがたくさん詰め込まれた。

コロナでどこにも行けなくなった今、この数々の思い出達は宝物だった。

リビングのお気に入りのスペースで、エンドレス再生するようにしてみたが、これがなかなかいい。見ていて飽きなかった。

しかし、このフォトフレームの中に、私が大嫌いなウミウシの写真が数枚混じり込んでいた。

ウミウシに対しては、カラフルなナメクジ程度の存在でしかなく、海の中でもウミウシなんぞ紹介しないでくれ、というほどに、興味がないというよりも嫌悪感すら抱いていた。

しかしまあ、相方がお気に入りの写真だしと、敢えて口に出すことはせず、結果としてStay Homeの長い自粛期間を、そのウミウシ写真と過ごしたのである。

ある朝。
いつものように、ふと目にしたフォトフレームの中のウミウシを見て、思わず呟いた言葉に自分自身が驚いた。

 
「あ、かわいい・・・」


ナメクジと同レベルのはずだったウミウシ達が、可愛らしく見えた。
海の中の宝石、という表現が、少しだけわかる気がした。

 
配色に凝った個性的な見た目も、「コイツら都会の女子か」と震えるほどだ。

デジタルフォトフレームによるサブリミナル効果によって、私はウミウシに洗脳されてしまったらしい。


No more ウミウシ #Me too だったはずなのに。


 
これもコロナ禍による価値観の変化、なのであろうか・・・

先日とある海で潜ってきた。
久しぶりのダイビングだった。

ウミウシ脳になりつつある私についていただいた今回のガイドさんは、まさにウミウシしか興味がないと豪語する人物だった。
天の采配というか、思考が現実化してしまったかのようなタイミングだ。



「シロウミウシかと思いきや!
 ジャジャジャジャーン! 斑点が青だから、ウスイロウミウシなんでーす!!」


背景が海だから一抹の爽やかさを感じるものの、ムダな話の盛り上げ方とか、ディープなオタク臭に圧倒されて発する言葉が見つからない。


そんなウミウシオタク様がガイドを務めるエントリーでは、目の前の海は当然ウミウシパラダイスと化した。




もーこんなにも小さくて。
まーこんなところに隠れてちゃって♡

 
 
肉眼でようやく見れたり、またはカメラのレンズ越しにしか見れなかったコ達に、「どうぞはじめまして。これからよろしくね。」と心の中で呟いた。



というわけで、今回出会うことのできた、可愛いコたちをぜひとも紹介したい。

【一見完璧のようでツメが甘い系女子☆ジボガウミウシ】

まるで風を吹き上げる地下鉄の通気口の上のマリリンモンローかと、見間違うほどの純白なドレス。

しかしそのドレスからのぞく足が、スネ毛だらけに見えて仕方がない。

何故に、このポヤポヤ(二次鰓)が黒なのか?
忙しすぎてスネ毛の処理まで気が回らなかった女子みたいで、愛おしく感じてしまう。

【パンケーキ大好き女子☆ミツイラメリウミウシ】

流行りのパンケーキ屋に通い詰めているうちに、アゴのラインに締まりがなくなってしまった女子のようにみえた。

最初出会ったとき、思い浮かんだのがそれだった。

このコはポヤポヤ(二次鰓)も含めて表面がシースルーな素材で覆われていて、控えめながら性格が素直なんだろうな、と感じてしまう。

【問答無用ゴージャス系女子☆アミメウロコウミウシ】

このコを発見した時にガイドさんが、「んおー!んおーーー!」と海の中で絶叫していた。

どうやら希少なコらしい、ということが伝わった。

 
この記事に書くにあたり、なるべく間違いがないようにネットで一応調べたりもしたのだが、このアミメウロコウミウシに至っては「こんなコを見れるなんて、目が潰れる」と書いていた方がいた。

シースルーに網タイツ柄、そして端のステッチが絶妙で、なんとも嫌味のない上品なエロスと華やかさ。

例えるならば、ミュージカルの舞台に立つ米倉涼子であろう。
眩しすぎて、美しすぎて、本当に目が潰れそうだ。

さて、私のウミウシ脳がどの程度か調べるために、ウミウシの写真を見ながら昼食をとってみるという調査方法を試した。

が、正直、箸が進まないことに気が付いた。
なんだか食事の消化も良くない。


少々ウミウシが気になるが、まだまだウミウシ脳、とは言えないレベルのようだ。



だが、【東京女子ウミウシ図鑑】というカテゴリを新設したのを、このブログの読者様はお気づきであろうか。

そこにぜひ、今後の私の決意を感じていただきたい次第である。

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