photo by KENJI instagram
今回のプーケット旅行は、成田からタイ・バンコクのドンムアン空港を経由してプーケット空港への、乗り継ぎのある経路だった。
当初の予定だと、プーケット空港には早朝5時くらいにつく予定だった。
なので、そこから車で1時間半程度かかるボートダイビングの出港場所であるシャロン桟橋に、ボート出港の時間までに行くことができる計算だった。
だからスーツケースもそのままに、 到着初日からボートダイビング3本をぶっ込む気満々でいた。
しかし、割りと早い段階で、航空会社から早朝5時着の便が8時着に変わりましたと、連絡がきてしまった。
これもLCCだから仕方ないのか?

ということは?
プーケットのダイビングは、大きな船での乗合スタイルだ。
そして、主なダイビングスポットまで船で片道2時間以上もかかるので、1日1回の朝の出港便に間に合わなければ、もうその日はダイビングができないということになる。
到着日にダイビングの船に乗れるよう、 相方は色々な手段を想定して空港〜シャロン桟橋間の移動の根回しをしていたのに、残念ながらその努力は水の泡になってしまった。
※ ちなみに 乾季(11月~5月) であれば、カロンビーチでビーチダイビングは可能だそうです。
ううぅぅ・・なんか悔しい。
ダイビングできる日が、一日減っちゃった。
そもそもが私らみたいな、90%くらいをダイビングの為だけに旅行を企てる者達にとって、それ以外に何ができるのかなんてどうでもいい。
旅先で海に潜っていない時間 = ビールを飲みながら海の話をしている、くらいの「アル中」ならぬ「海中」なのだから。

結局、夜21時前に成田を出発し、現地時間1時過ぎにドンムアン空港に着いた。
次のプーケット行きの飛行機まで、ここで約5時間を過ごさなきゃならない。
2時間の時差があるので、日本時間でいうと午前3時にあたる。
そんな時間に異国の地に着いても、テンションなんて上がるわけがない。
それに加えて、眠いし腹は減るわ疲れるわで、不機嫌になっている自分を抑えきれない。
そういやさっき、機内食を3口くらいしか食べないうちに、気が付くと相方が私の分も全部平らげたんだったっけ。
おかげでお腹が空きすぎて、もうダメだ。
次の乗り継ぎや手続きに余念がない様子の相方に、「そんなことはさておき、今すぐ何か食べさせろ。」と渾身の仏頂面でお願いする。
空港のフードコートは一部24時間営業をしていたので、そこでお腹を満たす。 温かいスープを飲んで、気持ちが少し和らいだ。

しかしまあ、こんなヘロヘロになるというのに、その数時間後にボートダイビングを3本ぶち込もうとしていた自分たちの無謀さに、改めて反省をした。
よく3度の飯よりもダイビングが好き、とか言っているヤツに時々遭遇するが、本当に「寝るか食べるか VS ダイビングを取るか」という究極の選択になったことがあるのだろうか?
きっと、ないだろうよ。
疲れているせいで、そんなどうでもいいことを考えながら、次は仮眠をとる場所を探しに行った。。
ちょうど日本料理屋があって、桜で彩られた富士山の大きな写真が描かれている壁の正面に寝心地のよさそうな長椅子が置いてあったので、そこに決めた。
ただの写真だけど、目の前に富士山が見えるだけで、不思議とぐっすり寝れそうだった。
数時間仮眠した後に再度飛行機に乗り、一時間強、寝ている間にプーケット空港へ到着した。
ようやく南国独特の、熱くふわっとした雰囲気にのせられてきた気がする。
これこれ。来たよ来たよ来たよ!
そして、日本の時点で予約していたタクシーに乗るために、広場にでて運転手を探した。
と、・・・探すまでもなく、よく見慣れた明朝体が目に飛び込んできた。

相方の名前の明朝体が、やたらと重たすぎる。
この南国の浮足立った雰囲気と、完全に相反していた。
なぜフォントが明朝体なのだろうか、いや、単に目立つからなのだろうな、と行き場のないツッコミを自問自答しながら、タクシーへ乗り込んだ。
プーケットの街中や道路は、綺麗に整備されていた。
そして車窓から時々見える寺院の煌びやかさに目を奪われたが、それよりもあちこちに見えるコレ↓の方に、より心を奪われる。

電線がカオス。
ええの?これで・・・
1時間半弱で、滞在予定のカロナ地区へ到着した。
まだ気分が南国の風に乗り切れておらず、さっきの明朝体が目の前に残影としてチラついていたが、それも目の前のカロナビーチへ行くと一瞬で消え去った。

ナイスバディの金髪のお姉さんたちが、まるで映画のワンシーンのように、海から上がってきて、思わず目を奪われる。
今まで見た、どこのビーチとも違って、踏むとキュキュと鳴る、粒子が細かい白い砂が似合う、とても艶やかでオトナの雰囲気なビーチだった。

ビーチの目の前のカフェで、食べたかった本場のパッタイとビールを注文し、ようやくやっと、私の中でプーケットの旅がスタートした。
(つづく)
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