photo by KENJI instagram
そういえば、ダイビングが出来ないなら旅行なんてしても意味がないじゃん!って思っていた時期も若かりし日々が私にもあった(約2年前)。
※ 沖縄ダイビング旅行直前で、相方が足の指を開放骨折をし、ダイビングが医者から禁止令発令した記憶はこちら その1
※ 沖縄ダイビング旅行直前で、相方が足の指を開放骨折をし、ダイビングが医者から禁止令発令した記憶はこちら その2
私もさすがに、その頃よりも落ち着いたようで、今回エアの関係で初日に海に潜れなかったのだが、それを真摯に受け止めて、ダイビング以外に印象に残ることを、と前向きに行動した。
それが、
「海に潜れないなら、象に乗る。」
という、私らなりに深く考えた選択肢だった。
さすがタイであって、日本の動物園よりも、圧倒的な距離感で象と戯れることができるのが嬉しい。
象の鼻息をブフォッと、何かの水分と共に顔面で浴びることすら出来てしまう。

一通り説明を受けて、象の背中に据えられたベンチに裸足で乗り込む。
その際に、相方のGパンの尻ポケットに差し込んだスマホが落ちそうだから、気をつけて!とスタッフから指摘を受けた。
相方は「オーケー!オーケー!」と、浮ついた外国人ノリで返事をしていた。

山道を、人間を乗せた象の行列がゆったりと進んでいく。
その山道は、深くぬかるんだ泥であり、象が進む度に左右に大きく傾く。
裸足だったので、象の硬い皮膚の感触を、さわさわしながら楽しんでいた。
その散歩の途中、前を歩く象さんがモリモリと、ボタッ、ボタッと重たそうな音をたてて大量に用を足していた。
それはすぐに、道の泥との見境がなくなるように、地面と馴染んでいった。
この道は、もしや大の積み重なりでできているのだろうか・・
泥なのか、大の蓄積なのか、わからない道を恐る恐る観察していた時、相方が耳を疑うようなことを呟いた。
「スマホ、落とした。」
おそらく、人間がスマホを落とすシチュエーションとしては、限りなく最悪の状況に近い。
この象のウ○コまみれの道中に加え、後続の象も数頭いるというのに。
スマホが踏まれていたら即死で回収不可、運よく踏まれなかったとしても、この道では見つけられないかもしれないし、見つけたとしても・・・。
スマホの充電する穴に詰まったウンを、爪楊枝とかで取り除くのだろうか・・?
ゾワゾワしてきた。
てか、この人なんなの?
スマホ落ちそうだから気を付けて、と注意されたばかりだよね。
しかもこの旅の直前にも、別のケータイを紛失して見つけられず、手続きをしたばかりなのに・・
そういえば、この間はアレも無くした。
それだけじゃない、その前は○○にアレを忘れて大騒ぎしてたっけ。
ここ数年の相方の物の紛失歴が、走馬灯のように頭を駆け巡った。
ふつふつと、怒りが込み上げてきた。
そして、スマホがなくなる→いくら海外にいようとも、フリーランスで働く人間(相方)として、連絡手段を絶たれる、というのは致命的だ。
もはや、南国で象に乗ってヒャッハーとか言っているという気分ではない。
もう、今すぐ、象から降りたい。
が、スマホを落とした地点はだいぶ最初の頃だったため、口をきく気力もないまま長い長い山道を一周し、ようやく終着点にたどり着いた。
相方が「スマホを途中で紛失した」と事情を伝えると、スタッフ達が悪路の中、探しに行ってくれた。
なんていい人たちなんだろう。
でもそれはすごくありがたいけれど、見つかればラッキーだし、見つかったとしても果たしてスマホが再起できるのかどうか。。。
と、結局満点の笑顔でスマホを手にしたスタッフが、駆けつけてきた。
落ちたスマホは、まさかの、まさかのほぼ無傷だった。
ウ○コまみれにもなっていないし、軽く汚れた程度で、使用するにはなんの問題もなかった。
ああ、これはキセキ。
あまりの感動に、相方が「自撮り」したのがこの写真。
私はただただ冷ややかに、見つめるだけだったが。。。

やたらと感動的に写っているので、正直ムカついた。
(続く)
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