(前回の続き)
「たった一日、北海道でダイビングをするだけの旅」の飛行機が欠航となり、もう面倒だ・・・帰ってしまおうか、とも頭をよぎったが、自前の執念深さが顔を出し、次の日の朝、新千歳空港に到着した。
やけっぱちになって諦めなかった自分へご褒美として、ここはまずは、北海道の海の幸でウエルカム丼ということにしよう!
ウニやイクラが沢山盛られた、別名・痛風丼を堪能しながら、ビールで小さく祝杯をあげた。

実はちょっと前まで、クソ寒い北海道でダイビングをするなんて、なんて奇特な人達だと、非常に失礼極まりないことを思っていた。
しかし調べれば調べるほど、北海道・積丹の海は素晴らしく、今すぐ積丹で潜らなければならない、という焦りすら感じるようになってきてしまった。
そして私には北海道にダイバーの知り合いがいなかったので、北海道のダイバー達とはどんな方々なのか、というところから興味深々だった。
積丹でのダイビング当日。
朝、待ち合わせ場所でショップ御一行様と落ち合い、札幌市内から積丹美国へ向かう車へ乗り込んだ。
たまたま隣に座っていた、去年からご夫婦でダイビングを始めたばかりという奥様に、いろいろと北海道のダイビング事情を聞いてみた。
話を聞いて感心したのは、さすが北海道のダイバーは、ドライスーツのスキルが卓越している。
例えば積丹でのダイビングだと、一年のうちたった2か月程度しかウェットスーツで快適に潜れるシーズンがない。
慣れないと小難しいドライスーツをメインで使わなきゃならないのに加えて、積丹の海ならではの試練があるのだ。

そう。積丹の海底は、ウニだらけ。
海底が、畳みかけるようにウニ、ウニ、ウニなのだ。
お笑いで、同じギャグやツッコミを繰り返す手法を「天丼」というが、まさに積丹は「ウニ丼」の海だ。
空港で食べたウニ丼がエンドレスで食べれるほどの、ウニ丼な海だ。
なので、ちょっと岩場に手をつくのにも確認しないと、痛い目にあう。
その奥様は、中性浮力がちゃんと取れなかった時、買ったばかりのドライスーツをウニの針で穴をあけてしまって水没させた、と言っていた。
初心者にとって積丹の海は、敵をよけながら進む、スーパーマリオの世界観っぽい。
ウニに当たったら、シュンシュンシュンってチビマリオに戻っちゃいそうだな。
だからなのか、北海道のダイバーは、ドライスーツの扱いと浮力調整が非常に上手な方が多いと感じた。
伊豆あたりと比べると、かなり軽めのウエイト+アンクルウエイトなしで、皆さん普通に潜っていたから。
ところで、今回積丹の海で行きたかったポイントの「柱状節理」は、潮の流れの関係でいくことができなかった。
次回は、「柱状節理」リベンジと、海中でトドと出会うのも面白そうだなあ・・・(笑)
☆ 余談1
積丹の海は、全体的に目立つお魚は少なめ。(マクロ派には面白いのだと思います)
それ故なのか生物に関するガイドで、???という瞬間があった。

ボードには、「エビ」とだけ、書かれていた。
・・・「エビ」としか、書かれていない。
なんのエビ?
ちょっとウケた(笑)
※見えずらかったので、加工しました。
☆余談2
ホヤの仲間だという「サルパ」という生き物に初めて出会い、衝撃的だった。
どうみても、ダンボールの隙間を埋める梱包材にしかみえない形状で、まさに海中のエイリアン。
単体のヤツもいたり、長く連なってぐるぐると渦巻き状になっているのもいたりで、海中をふわふわと漂っていました。

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